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「誰だ……って言われて答える馬鹿はいないよ?やっぱり動物型と言うことか?」
コートを着た少年は、腰に着けたマガジンで短縮リロードをしながら笑っていた。
『餌がふえぇた~~!』
大蛇は、口を更に大きく開けて少年に食らいつこうとした。
「本当に馬鹿だ……」
少年は大蛇に向かい、手に持っていたまっ黒く染まっている銃を連射した。
しかし、大蛇は怯まず少年に向かっていく。狂ったように―…
腰を抜かした女性は、小声で呟いた。
「アンチスキル〔警備兵士〕―…?」
「残念だけど俺……アンチスキルじゃないんだよ?お姉さん♪」
少年は、腰からもう一つの銃を取り出し大蛇に打ち付ける……。
『遅いワ!!』
「ちょっ!?……まずい……かも、仮契約石だとこんなものか……」
そんな危機的な状況にも臆せずに少年は頭を掻きながら笑っている。
『諦めたカ!!小僧!!』
大蛇はそう言いながら、少年に突撃していく。
少年は、それでも笑いながら右手を前に出し上を指し示す。
「キャアァァァ!!」
女性の声が、路地裏に響くと同時に鮮血が飛び散り壁一面に赤が広がる。
「だから私は言ったはずだ……仮契約石を試しておけと……だからこんな小物一匹に―…」
「でも……刹那姉さんが来てくれたでしょ?」
女性が目を開けるとそこには、燃える様に真っ赤な髪をフワリと浮かせ、綺麗に整った顔とは似合わない大剣を先程まで大きく開いていた口に突き刺していた。
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