時は鐘なり…鐘?

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地獄。 それは悪行を為した霊魂が裁きとなる責め苦を受けることになる世界。 それはたまに、魔界と同一視される。 「…魔界?まさか此処は……」 「まさかそんなはずはありません。こんな大規模で私に気付かれずに空間的移動を行うことが出来るはずが……」 「もしも、もし…あの断層の世界から移動していなかったとしたら?」 そうだ。もしあの断層が冥界と幻想卿のスキマでは無く、幻想卿と魔界のスキマだったとしたらどうだろうか。 「それは正しいかもしれませんが、ならばどうやって私達を移動させたのですか?」 それは簡単だ。 「…最初から、俺の世界に帰ってきて無かったんだ。錯覚だよ」 「まさか…私の力で移動しきれずに、魔界にしか隣である魔界に行くことしか出来なかったと?」 「もしくは移動先を魔界に設定されたかのどちらかだろう」 ……どちらであっても、俺達がすることは一つだけなんだ。 この魔界から脱出すること…それが今、出来ることなのかもしれない。 .
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