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咲夜さんはナイフと能力で周囲を抑え、傘は力で確実に倒していく。
だが敵は増える一方だ。
「ん?…おい、御名も戦えよ!」
「私達では抑えるも難しいです…」
「いや…戦う必要、無くないか?」
そうだ。戦う必要は無い。
俺は二人の手を取り、『距離を変えた』。
一回目の使用で最初に居た地点から遥か上空に瞬間移動。
呼吸が辛くなる前に、次の二回目で最初の地点から大きく離れた位置にある館のような場所へ向かって再び瞬間移動。
能力を連続で使用したが、その間約2秒。
既に館の前に居る。
見たことの無い館だが、敵の気配が無いと傘が教えてくれる。
……?
何故か咲夜が驚いた表情をしている。
目の前の館とその周辺を見渡すが、思い当たる節は無い。
…いや、寧ろあった方が凄いが。
「どうしたんだ?咲夜」
「……んむ?」
傘も咲夜の一変した態度に気が付いたようだ。
「…何故、」
「?」
「……此処は、紅魔館。…私の世界にあるべき、幻想卿のモノです」
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