ある晴れた日の…

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「…何処だ、此処」 周囲を警戒し確認しつつ、なんとも気怠そうに歩く男が呟く。 彼の名は神狩 御名(かがり みな)。見た目ではまだ高校生くらいだろう。 黒く肩につくぐらいの髪に黒い瞳。背はおそらく180近い。 しばらく歩き続けると、広く拓けた空き地にたどり着く。 そんな彼の周りには数匹の何かがいる。 一匹が、俺に向かって話しかけてくる。 「…貴様、此処ガ何処カワカッテ来タノカ?」 よくは知らないが。まあそのまま答えれば良いだろう…きっと。 「知らないな。さっぱりだ」 「何ダト…?貴様、フザケルナ!」 何故怒る。 「我等ガ魔族ノ聖域ニ侵入スルコトナド…常人デハ不可能ダ!」 …つまり、入ってはいけない場所に入ったという訳だ。面倒ったらない。 俺は右手を前に翳し、問い掛ける。 「…どうしたら許してくれる?」 「此処デ朽チロ」 周囲にいた魔物が一斉に襲い掛かってきた。予測済みな訳だが。 「ほらよ。プレゼントだ」 ポケットの中にしまっておいた物を左手で投げると、閃光と爆音を放つ。 あらかじめわかっていれば、対処がいくらでも出来る代物だ。 直ちにそこからずらかることにする。 .
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