始まりはいつも突然で

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「――用事は済んだわ」 突然何を言うのだろうか。 傘と私が臨戦体制をとっている時点で、相手が勝てるはずが無いのに。 「どうにかなってしまったのですね……」 「…お前の負けだよ」 傘が魔物に襲い掛かる。 魔物は一撃で吹き飛び、ゆっくりと黒く霧散してゆく。 その身体が浮遊し、 「アハハハハ!気付かないのか?!」 「!?」 「もう一人の男はもらっていくぞ」 そういうと完全に霧散する。 「…やられた……」 「畜生…何故気付かなかったッ!」 私達は騙されたのだ。 そしておそらく……閉じ込められた。 この紅魔館は偽物の、檻となった。 .
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