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だからこそ姉さんは止めようとしてくれている。
辛いことを知っているから。
今も、辛いはずなのに。
「だけど俺は変わらない…変えられるはずが無い!」
「……なら、此処で諦めさせてあげるわ」
「え…姉、さん……?」
「武器を取りなさい」
姉さんが拳と脚に鉄製の防具を付ける。
――本気だ。
「この暗闇でどうやって?」
「武器を取ればわかるわ」
「………」
少し躊躇いつつも呼び込む。
俺の武器、『黒白(コクビャク)』。
名刀であり妖刀である日本刀だ。
刀身は銀、鍔は純白、柄は漆黒。
鍔には小粒のラピスラズリが四つ埋め込まれており、さらに柄の底にはガーネットが埋め込まれている。
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