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……ああ、面倒だ。
何故俺はこんなに不幸が訪れるのかがわからない…。
全く、面倒ったらありゃしないな。
ついついメイ「咲夜です」……。
「…心の中にでも入ってくるのか?」
「いえ、自己紹介をしたのですが」
「………」
「どうかしましたか?」
「いや、なんでもない」
――此処はリビングだ。
家族で落ち着く為にあるんだが、元々家族なんていない。
俺はある時からの過去の記憶が無い。
理由?爺さんに聞いてみたが、わからないと言われたくらいだ。
ちなみに、爺さんは俺を家族のように接してくれる唯一の人。
もし爺さんがいなかったら生きていられなかったのは確実だった。
「…あの、もう一度自己紹介をした方がいいでしょうか?」
「ああ、そうだな。せっかくだから俺からするよ」
自己紹介をした覚えが無いからな
「任せます」
「そうだな…俺の名前は神狩 御名。御名でいい」
「一つだけ質問をよろしいでしょうか…あの力はなんですか?」
「力?……ああ、あの時『距離を詰めた』あの力のことか」
確かに初めて見る人にとってはいい力には思えないな。
俺自身その『微力な力』には慣れていないんだからな、わかる。
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