ある晴れた日の…

6/7
前へ
/161ページ
次へ
……ああ、面倒だ。 何故俺はこんなに不幸が訪れるのかがわからない…。 全く、面倒ったらありゃしないな。 ついついメイ「咲夜です」……。 「…心の中にでも入ってくるのか?」 「いえ、自己紹介をしたのですが」 「………」 「どうかしましたか?」 「いや、なんでもない」 ――此処はリビングだ。 家族で落ち着く為にあるんだが、元々家族なんていない。 俺はある時からの過去の記憶が無い。 理由?爺さんに聞いてみたが、わからないと言われたくらいだ。 ちなみに、爺さんは俺を家族のように接してくれる唯一の人。 もし爺さんがいなかったら生きていられなかったのは確実だった。 「…あの、もう一度自己紹介をした方がいいでしょうか?」 「ああ、そうだな。せっかくだから俺からするよ」 自己紹介をした覚えが無いからな 「任せます」 「そうだな…俺の名前は神狩 御名。御名でいい」 「一つだけ質問をよろしいでしょうか…あの力はなんですか?」 「力?……ああ、あの時『距離を詰めた』あの力のことか」 確かに初めて見る人にとってはいい力には思えないな。 俺自身その『微力な力』には慣れていないんだからな、わかる。 .
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

235人が本棚に入れています
本棚に追加