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あれからお互いのことを話し、色々なことを知った。
あの世界は幻想卿と呼ばれる世界と、冥界と呼ばれる世界の『断層』、または『スキマ』らしい。
スキマについては幻想卿に知り合いが居る為、後で話を聞くそうだ。
そして名前。
彼女ことメイドさんの名は十六夜 咲夜。
『時間を操る程度の能力』を持っているらしく、時間は空間に限りなく近いモノと説明された。
他にも色々聞いたが、主人が大好きなロリコンということしかわからなかった。←
一時間ほどたった頃……。
ふと、あることに気付く。
「……なんだろうな、何か…静か過ぎないか?」
「!?」
咲夜さんも何かに気付いたようだ。
俺が気付いたと言えば、外が余りにも暗い。
そして時計はまだ昼間である。12時を指しているはずなのに。
気になった俺達は、外に出てみた。
「……これは、本当に貴方の…世界、なんですか…?」
咲夜さんが呟く。
だが…いや、違う。
こんな世界は知らない。
「……おい、夢なら覚めてくれよ…」
何故なら俺の家の他には何も無く、荒野だけが広がっていたのだ。
空は深紅。
雲は黒一色。
太陽と呼べるものか月と呼べるものかはわからない、巨大な青白い円。
そこは人が裁きを受ける地獄としか、形容出来る言葉が無かった……『世界』。
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