時は鐘なり…鐘?

2/7
前へ
/161ページ
次へ
あれからお互いのことを話し、色々なことを知った。 あの世界は幻想卿と呼ばれる世界と、冥界と呼ばれる世界の『断層』、または『スキマ』らしい。 スキマについては幻想卿に知り合いが居る為、後で話を聞くそうだ。 そして名前。 彼女ことメイドさんの名は十六夜 咲夜。 『時間を操る程度の能力』を持っているらしく、時間は空間に限りなく近いモノと説明された。 他にも色々聞いたが、主人が大好きなロリコンということしかわからなかった。← 一時間ほどたった頃……。 ふと、あることに気付く。 「……なんだろうな、何か…静か過ぎないか?」 「!?」 咲夜さんも何かに気付いたようだ。 俺が気付いたと言えば、外が余りにも暗い。 そして時計はまだ昼間である。12時を指しているはずなのに。 気になった俺達は、外に出てみた。 「……これは、本当に貴方の…世界、なんですか…?」 咲夜さんが呟く。 だが…いや、違う。 こんな世界は知らない。 「……おい、夢なら覚めてくれよ…」 何故なら俺の家の他には何も無く、荒野だけが広がっていたのだ。 空は深紅。 雲は黒一色。 太陽と呼べるものか月と呼べるものかはわからない、巨大な青白い円。 そこは人が裁きを受ける地獄としか、形容出来る言葉が無かった……『世界』。 .
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

235人が本棚に入れています
本棚に追加