step1:prologue

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しかし、高校生活を送っているうちに性格が丸くなったのだろうか? 「あ、何もないけど上がっていってよ」 「そうね……せっかく来たんだものね」 だが、岬姉がオレの脇を通って家の中に入ろうとしたとき…… 「ちょっと待ったぁ~!!」 「!?」 「な……達也?」 制服を着たまま全力疾走してきたようだ。 そのせいか、息がかなり荒い。 「――――!!」 キラーン!! 「!?」 岬姉の方から殺気がした。 しかも、昼間体育館で感じたものとまったく同じだった。 「陵を巻き込もうとしてもそーはいかねぇぞ!!おい陵っ!!騙されるなっ!この姉貴は3年前と何も変わっちゃいねぇ!!早く逃げねぇと、またあの地獄の日…」 達也の主張は最後まで紡がれることはなかった。 岬姉が達也の顔面をつかんで、体ごと宙に浮き上がらせていたからだ。 「な……」 それを見たオレの背中に寒気が走る。 確かに、達也が岬姉にボコボコにされる様子は3年前と何も変わっちゃいない!! 「ふふふ……よくもあたしの野望を打ち砕いてくれたわね?達也」 「野望…?」 「そうよ。陵をメロメロにして岬姉ちゃんの虜にしてしまえ作戦!あと少しで成功したのに…邪魔が入ったわね」 それを聞いたオレは、あまりの恐ろしさに身動きが取れなくなっていた。 もし逃げたとしても、必ず捕まって今の達也のようになると、頭よりも体が理解していた。 「に、逃げろ陵!!ここはオレが……」 「ふふふふ!」 バキッ!! 「うわぁ――――!!」 「いっ!?」 キラーン! ……夜空に星が1つ増えた。 「み、み、岬姉……」 「………」 岬姉は達也が星になった方向を見つめたまま、オレに背を向けている。 「……と、とりあえず、上がっていってよ。オレも久々に岬姉に会えて嬉しいし」 「……陵…」 「ん……?」 「―――陵っ!!」 「う、うわぁ!?」 岬姉がいきなりオレに抱きついてきて、オレの体をもみくちゃにした。 逃げようと思ったが、体をしっかりと岬姉に固定されて動くことができない!! 「ああーん、もう!!陵はやっぱり、いつ見ても可愛くて仕方ないわぁ~!」 「ちょ、ちょっと!岬姉!!」 抵抗するが、岬姉の鉄腕の前では何をしても皆無。 というか、このままだと本当にオレの命にも危険が!?
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