オレを売りやがったな

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最近、妙に学校が活気づいてる。 オレたち1年は、わけもわからずその雰囲気に乗っていた。 だけど、その理由をオレは最悪な結果で知ることになる。 いつものように瀬野がやって来たが、なんだかニタニタしている。 「高原、やっぱりお前はサッカーをやる運命なんや!」 急にわけのわからんことを言い出した瀬野を、オレは無視した。 「瀬野!なんか嬉しそうだな?高原にサッカーさせる方法でもあったのか?」 一緒にメシを食ってた奴がからかうように瀬野にきいた。 【そんなのあってたまるかよ!!】 毒づきながらもメシをガツガツと食っている横から、瀬野がオレの肩をポンと叩いた。 「高原のプレーがまじで見られるなんて幸せや」 「はっ!何キショいこと言ってんだよ!!オレはサッカーなんてやんねぇーぞ!」 「そんなこと言ってられないよ!高原君」 今度はクラス委員の久保が口を出してきた。 「なんか、来月の頭らへんに球技大会があるでしょ。その種目が女子がバレーで、男子がサッカーになってるみたいなの」 【嘘だろ?(汗】 「しかも、総合優勝したクラスには特別教室の利用が許可されるみたい」 クラス中の目が一気に怖くなった。 久保が言う『特別教室』っていうのは、この学校に3つある生徒専用の冷暖房付きで、一人一台パソコンが付いてるって噂の教室… 夏にはクーラーが付き、冬には暖房が付く。 学生にとっては楽園だ。 その教室が球技大会の景品となったんじゃ、サッカー経験者であるオレは無理やりにでも参加させられるに決まってる。 【こんなことがあっていいのかよ!!】
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