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少し話そうとすると、あっという間に逃げられてしまう。 うざい連呼は、キモイよりはマシだけど、地味にダメージくらう。 それにしても……。 「……」 ……俺、なんかしたっけ? ものすごく煙たがられてる気がする。 テンションが下がると同時、急に目の奥がズンと重くなったので、かけていためがねを外し空を見上げた。 俺の気持ちとは正反対の、雲一つもない晴れ晴れとした空。 ……なんか、前途多難じゃね? ホントに自信なくなってきたんだけど。 一応担任だし、話くらいはまともにしたいのに……。 「はぁ…」 「ため息ついてると、老けますよー?」 「!」 突然届く声に、思わず持っていためがねを落とした。 「…壊れなくてよかったですね。はい」 彼女はまじまじとめがねを見ながら、ポンと手のひらに乗せてくれた。 「あ、ありがとうございます」
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