10年前*Ⅰ

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「キャー颯斗クンだっ!」 「あーんかっこいい~!」 「ねぇ颯斗ぉ~?今日は私と遊んでくれるのよね!?」 「真広クンは今日私と遊ぶんだから、引っ込んでなさいよ!」 「アンタみたいなのが颯斗に相手されるわけないじゃない!あたしと遊ぶんだから!ねぇ~颯斗♪」 そう言って俺の腕に絡みついてくる女ども。 あーうるせぇ。 どいつもこいつもうるせぇ。 「ゴメン!今日は葵と遊ぶんだわ。また今度でいいかな?」 にっこりと作り笑いを浮かべそう言い切り、ウインクを女どもに向けると、バタバタとドミノのように倒れていく。 たったそれだけで失神するなんて、ちょろすぎる。
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