10年前*Ⅰ

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「颯斗クンは相変わらずモテモテですね~」 俺の肩に腕を回し、ニヤニヤしているのは悪友の野々上葵。 「まぁな」 そう言い返しながら回された腕を払う。 「自覚してるあたりかなりムカつくんだけど。殴っていい?」 そう言いながら奴はグーを作り、殴る仕草をする。 「俺のキレイな顔に傷つける気か」 「マジで殴るぞ」 「モテねぇからってひがむなよ」 「カッチーン」 葵は俺の首を腕で締めてきやがった。 「まっ待て!苦しい苦しい!」 お前の太い腕に絞められたら、落ちる前に息が永遠に止まるじゃねぇか!
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