10年前*Ⅰ

5/10
前へ
/111ページ
次へ
「わかった。だから離せ」 「さっすがぁ~颯斗クン♪期待してるぜっ」 葵は巻きつけてる太い腕を、やっと離した。 「ったくお前のバカ力、どうにかなんねぇの?」 ケホッと咳をするイケてる俺。 「バカ力じゃねぇ。努力の賜物だ」 力こぶを作ってアピールするピュアボーイ葵。 「さすが柔道部は違うな」 ……この顔と体系でピュアボーイってのが笑えるよな。 「当たり前だろ。やるからには強くならなきゃ意味がねぇ」 でも俺はコイツのそういうとこが気に入っている。 真っ直ぐで純粋で。 俺にはまず純粋の文字は似合わない。
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

820人が本棚に入れています
本棚に追加