10年前*Ⅰ

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俺はYESだ。 聞かれたくないことも、言いたくないことだってある。 知られてしまったら。 言ってしまったら。 今までの関係が崩れてしまうんじゃねぇかって。 それが怖いんだ。 ――――俺は俺なのに。 「それじゃまた明日な」 「おう。またな」 武道場の前で葵と別れ、下駄箱へ向かう。 廊下を歩く間も、女どもからの熱い視線をいくつも受ける。 お前らは顔さえよければいいのか? 見た目さえよければ、遊び人でもいいのか? 中身は関係ないのか? わけわかんねぇ。
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