日常

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「降参ですか?ツルギ様。」 声は上から聞こえた。 見上げようとしたら、ハラハラと葉っぱが数枚落ちてきた。 コイツ…木の上の方に隠れてたのか。私が上れないのを知っておきながら…。 「よっ!」 スタッ!っと、まるで忍者のように華麗に木から飛び降りた。 彼の名前は陸丸<りくまる>。私の側近(遊び相手とも言う)の一人だ。 着物は少し胸元がはだけてるし、髪は癖っ毛だし、裸足に下駄で…側近と呼ぶのには、正直言って似つかわしくない。 私は[陸丸]と呼ぶのも面倒だから、[陸]と呼んでいる。 ま、程良い略し方でしょ? 「俺はこーみえて隠れるのは得意な方ですし?」 得意気にニヤつく陸がいた。 「き…木の上なんて反則よっ!!」 と、負け惜しみを叫ぶ私。 素直に悔しい。 「あまりツルギ様をからかうのは止めなさい、陸丸。」 後ろから草履が砂を蹴る音と一緒に、聞き慣れた声がした。 彼は天衛門<てんえもん>。彼も私の側近(子守役とも言う)の一人。 羽織りを脱いで軽い格好にはなっているが、袴もピシッとしてて、黒い長い髪は後ろで束ね、陸丸に比べたら遥かに側近に似つかわしい。 天衛門は亡くなった母上の代わりに私の子守役として付けられた。 今では兄のような存在だ。image=278185433.jpg
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