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「お前ら!敵さんはサラミスとジムだけだ。まさかとは思うがしくじるなよ!」
「「「了解!」」」
一糸乱れぬ動きで接近していく。
一方サラミス級は高をくくっていた。艦の数もMSの数もこちらが上。余裕だろうと。艦長以下クルーの顔はあたかも勝利したかのようだった。しかし…
「なんだこいつら!?速…い…」
「くそっ、当たらな…」
「そんな…どこから…」
悲痛な通信と共にレーダーに写る味方のMSの数がどんどん減っていく。気付けばあと一機になっていた。
その頃、戦闘空域では
連邦軍のジムが敵MSに向かってマシンガンを放つ。一発一発が死の恐怖をもたらす弾丸が空域を切り裂く。しかし切り裂くだけだ。かすりもしない。
「なんで当たらないんだ!?」
ジムのパイロットの表情が恐怖に歪む。
「そんななまくら弾に当たるかよ!」
バートンのザクは軽やかな動きで敵弾を躱す。まるで優雅なダンスを踊るかのように。すでに味方機は敵艦を沈めに行った。ならば自分がこいつを落とせばゲーム・セットだ。彼は隊員達に絶大な信頼を寄せていた。
「こいつで終いだ!」ザクの腰から斧を抜く。ヒートホーク。刃が数千度に達する灼熱の斧だ。
「くっ、来るなぁ!」ジムは闇雲にマシンガンを放つだけだ。あっという間に接近し、横一閃。ジムの胴体と下半身は泣き別れになった。
「どうだハーディ、終わったか」
「とっくに終わりましたよ!隊長がそんなのと遊んでる間に」
彼らは編隊戦闘を得意としている。ハーディとマニングスが先行して敵の注意をこちらに向ける。そして後方からニムロッドのザクキャノンに搭載されたスナイパーライフルで撃ち抜く。今回も数分でケリが着いた。
「よし、帰還するぞ」
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