14回目のバースデー~最後の笑顔で~

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「でさ、何の用で来たの?」 話題転換。って言うのかな? 「いやっ別に用は無いんだけどな。あそこに居ても何もないし来たんだ」 有り難迷惑なんだよこのバカ兄貴。 なんて言ったら呪い殺される。 「要するに暇だったんだね」 「まぁそういうことになるな」 「そう」 暇人なのは生前も一緒だと思うけど。 そんなこと思ってたら兄が口を開いた。 「というわけで、今日から俺が消えるまでここに居させてくれな」 「…はっ?」 今何て言ったこのバカ兄貴。 ここに居させてくれ?嫌だよ。 「だから…」 「嫌だよ」 再び口を開こうとした兄の言葉を遮ってそう言った。 「嫌だよって言われてもなぁ…」 兄は困った顔でそう言った。 私がその顔に弱いって事知っててやってるんですか? 本当に頭が良かったのか疑ってしまう。 「嘘だよ分かったよ いつまで消えないの?」 「それが分かったら苦労しないぜ」 「あっそうだね」 自分頭悪!!っていう心の叫びは無視。 もう受け入れるしかないじゃん。 兄のことだ、断ってもきっとずっと居るんだ。 これが夢なら早く覚めてほしいものだ。 .
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