14回目のバースデー~最後の笑顔で~

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◇◆◇ 兄が来て丁度一ヶ月が経った。 今日、7月10日は兄の命日だ。 私はいつものように学校に行く。 「行ってきます」 兄が来たからといって、家族とのわだかまりが解けるわけでもなく。 現状維持。 「かなえ~」 玄関を出てすぐに秋音が来た。 「秋音おはよう」 「おはよう。今日も天気が良いね」 「うん」 何で天気?とか思ったけどあえてスルー。 「今日英語あるよね」 「うん」 そういえば秋音英語嫌いだっけ。 「うんしか言ってないね」 「うん」 「「…あはは」」 「ハモったね」 「うん」 毎日の日課も健在だ。 「あっこれ」 秋音はガサガサと袋を出した。 私はそれを受け取る。 「うん」 「お供えしといてね」 「分かってるよ」 今日は命日なので袋がグレードアップしている。ついでに中も。 これは一体どれくらいの値段がかかるのかな? 「一週間後誕生日だね」 「うん」 7月17日は私の誕生日。 兄の命日の丁度一週間後だ。 家族にはろくに祝ってもらえないけど、正真正銘私が生まれた日。 「プレゼント楽しみにしててね」 「うん」 秋音が二イッて笑う。正直言ってカワイイよ秋音。
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