14回目のバースデー~最後の笑顔で~

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でもすぐに秋音の笑顔は消えた。 秋音は毎年この日になると少し淋しそうな顔をする。 兄のことがあるから、きっと私と似たような気持ちなんだろう。 私が私の兄みたいな《突然自分の前から居なくなる》そんな不安な気持ち。 「ねぇ香奈恵」 秋音が不意に私の名前を呼んだ。 「何?」 秋音がすっごく寂しそうな悲しそうな、そんな顔をしている。 「どこにも…どこにも行かないでね?」 秋音は声を少し震わせてそう言った。 きっとすごく不安なんだろう。 私は今にも泣き出しそうな秋音の頭を撫でた。 「大丈夫。私は絶対どこにも行かないから」 「うん」 そんなふうに秋音をなだめながら学校へ向かった。 .
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