14回目のバースデー~最後の笑顔で~

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◇◆◇ 「かなえ~」 後ろから、私を呼ぶ声が聞こえる。 その声は私が振り返る間もなく近づいてきて、私の背中を押した。 「おわっ!!」 腰をおさえながら振り返ると、見慣れた顔があった。 「おはよっ」 「おっ…おはよ」 元気に私に挨拶してきたこの子は秋音―あきね―。 私の唯一の理解者である親友。 いやっ、心友の方が近いかもしれない。 秋音は幼なじみでもあるから、兄のことも知っている。 勿論、私の心の内も。 「無理して笑わなくていいよ」 毎朝の一言目。 これが私たちの会話の始まりだ。 「うん」 朝は眠いので私は基本これしか言わない。 これも毎朝のこと。 「今日も天気が良いね」 「うん」 「今日体育あるよね」 「うん」 「うんしか言ってないね」 「うん」 「「…あははっ」」 「ハモったね」 「そうだね」 私たちは毎朝こんな会話をしながら学校に行く。 つまらないけど、結構私は気に入ってる。 少なくとも面白くない学校よりは楽しい。 秋音は毎回飽きないから。 .
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