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◇◆◇
「ただいま」
私は家に入ると、リビングへは行かず二階にある自分の部屋へ行った。
「はぁ…疲れた」
部屋に入るなりそう言ってベットに座る。
「おつかれー」
いつもは返ってこない、返ってきては可笑しい返事が聞こえた。
私はその返事に驚き、声が降ってきた方を見ると、有り得ない光景が広がっていた。
「あっ兄貴!?」
「よっ✨」
兄が宙を浮いていた。それにニコニコ返事なんか返してきた。
しかも微妙に透けている。
「よって…兄貴?なわけない…。」
「心配しなくても俺だって。って何してんの!?」
私は自分の目を疑い、思わず自分のほっぺをつねった。
「夢じゃないか実験中」
「実験しなくても夢じゃねぇって!」
「…痛い。夢じゃない」
私は爪が伸びているから相当痛い。思いっきりつねったから、少しだけヒリヒリする。
そんなこと思っている私をほっといて、兄は話を進める。
「だから言ったろ?
そりゃビックリするだろうな。ビックリしない方がビックリだぜ」
兄はどこか自慢げに話している。こいつ絶対ナルシストだ。
っていうのは死んでも言わない。
「何で何で何で?何でここに居るの?」
「そんなの俺に訊かないでくれ。俺だって分かんないんだからさ
気づいたら道路の所に居た」
私の質問に淡々と答える兄。
兄妹でも性格はこんなに違うもんなんだ。
「お化け」
思っていたことをつい口にだしてしまった。
小さい声で言ったんだけど、兄には聞こえたみたい。
「おいおいそりゃないだろ」
「でも幽霊じゃん。お化けじゃん」
私の言ってることはちょっと意味が分からない。
でも実際、幽霊とお化けってどう違うんだろうか。
「まぁそうだけど、兄貴に向かって言うか?」
「うん。言うよ」
言うに決まってるじゃん。聞かれたんだから。
私の答えに兄は呆れてたけど気にしないでおこう。
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