記憶

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セミの鳴き声が 響き渡るグラウンドで ボールを追いかける彼を見るのが好きだった 冬の寒い朝にマフラーと手袋をつけて身を縮めながら2人歩くのが好きだった 夏の太陽の光に照らされた田んぼも 冬のシンとした静けさの中を走り抜けて行く車も 雨の中、目の前を過ぎ去って行く電車も 夕焼けでオレンジ色に照らされた裏門のすぐ側にある大きな木も すっかり暗くなった空に浮かぶ三日月も 彼と見る景色はいつも新鮮で何度見てもすごく綺麗で‥輝いていた  
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