おやすみ

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大丈夫だよ…… ただ少しだけ長い おやすみ 病院の一番奥にある 重病患者安置所 耳に嫌に響く機械音 鼻を刺すような薬品の臭い 一日数十回の点滴 食後に飲まされる苦い薬 もぅ馴れた この広く冷たい一室に 入って来る人達は皆 薄青の白衣を身に纏い 薄い手袋とマスクを着けている 私の病気は名前が解らない ただ解るのは… 白血病という病気並の難病らしいが 今では白血病にも治療法が有ると聞いた けど…… 白血球の型が他の人と違うだけで 救われない命がある ガチャ… 「麗菜…」 「修兵!!」 最も愛しい相手 「久しぶりだな、寂しかったろ?」 「大丈夫!今修兵に会えたから!!」 笑顔を作ると修兵も笑みを溢す 「麗菜……っ!」 ここ一週間 修兵が病室前で見たものは 『面会謝絶』 の言葉だった しばらく会えなかった愛しの彼女 しかし…… 「………」 自然に目頭が熱くなるのを感じた
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