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遠くの国道を走るタイヤ音が耳を霞める。はねあげるしぶきの音。
暖かな朝。重たげな闇の残りかすが、まだ、部屋にたちこめている。
かすかな鳥の声。ウグイス?天から湿った夾雑物が地上に降りてくるのを
いぶかしんでいるのか…。
昨日見たレンゲは甘露を浴びている。
アスファルトは肌を伝うもので埃を傍らへ追いやり
喧嘩した恋人たちの肩は名残る冷たさで凍えている。
私は喉のカタマリを押しやる。
キツさを伴って押しやる。天に背くように。
今日はゴミの日だ。
起きなきゃな。
起きて、空間を光で満たそう。
光を独り占めした雲の切れ間から天使の梯子が降りてくる前に
私の日常がはじまる。
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