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朝、家から飛び出す時とは全く違っていた。
あの時はワクワクが溢れていたはずなのに。
でも今は……。
絶望、裏切られた中途半端な思い、悲しみ。
「どいつもこいつも勉強、勉強って、もっとバスケがしたいんだよおおお!」
怜護は何もないグラウンドの中央で叫んでいた。
全ての思いを吐き出すかのように、力の限り。
そして怜護の頬を伝わるのは、いつも二人で走っている時に流れてくるような輝く汗ではない。
全く――別のものだった。
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