檻の中の自由

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男は もう何日もこの森の中を さまよい歩いていた。 密集した枝と葉によって 太陽の光はほとんど入ってこず薄暗い。 しかも 森のはずなのに 鳥の鳴声も聞こえない。 何か特別な力でも働いているのか 時間の感覚もない。 いったい自分は どこに向かって歩いているのか・・ (もうだめだ・・) そう思ったとき 遠くに小屋のようなものが見えた。 薄暗くてよくはわからないが 家のように見える。 (幻覚・・?) 死ぬ前に見える 幻覚かとも思ったが いちかばちか 最後の力を振り絞り 歩き出した。
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