8人が本棚に入れています
本棚に追加
男が森の中の小さな小屋の住人に
命を救われて数日が過ぎ
男はすっかり体力を取り戻していた。
この数日の間に二人は
いろんな話をして友達になっていた。
「孝天、もうだいぶ元気になってきたね」
「そうだな・・これも仔仔のおかげだなあ・・ありがとう」
森をさまよい歩いていた男は
孝天といった。
なかなかの美青年だ。
彼の住む村では
この森は一度入れば
二度と出られないと言われているらしいが
彼はそんなことは
全くしんじていなかったらしい。
彼は狩りのために
この森に入ったとのことだが
動物と全く出会わず狩りもできず
持ってきていた食料も底をつき
飲まず食わずで何日も歩き続けたという。
「じゃあ、そろそろ自分の村に帰っちゃうの?」
この小屋の住人、
孝天の命の恩人は仔仔といった。
仔仔はこの森で
たった独りでくらしているらしい。
孝天が動けない間
必死に看病してくれた。
仔仔はさみしそうな表情で
孝天を見つめた。
最初のコメントを投稿しよう!