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「そうなるな・・いつまでも仔仔の世話になっていては・・」
そうは言ったものの、
仔仔の濡れた赤と青の瞳で
じっと見つめられると
すいこまれそうで何も考えられなくなり
思わず目をそらしてしまった。
「やっぱり・・孝天もこの瞳が怖いんだね・・」
仔仔がうつむいてしまったので
孝天はあわてた。
「え!?ど、どうして・・?」
「この赤と青の瞳を見た人はみんな気味が悪いって言うんだ・・こんな左右色の違う瞳をした人間なんていないから・・魔物の瞳だって・・」
仔仔の大きな瞳から涙が落ちた。
よく見ると肩も震えている。
「ち、違うんだ仔仔。俺はその・・仔仔のその瞳に惹かれてるんだ。だから見つめ続けていられないんだ・・」
仔仔の肩の震えが止んだ。
そしてゆっくり孝天のほうに顔を上げた。
「それって・・もしかして・・」
まだ涙をためたままのうるんだ瞳で
仔仔は孝天を見つめた。
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