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最初の自殺は薬を大量に飲んでみた。
当時、巷では自殺のマニュアル本が流行っていて、その中で紹介されていた薬だった。
致死量は120錠
一カ所で買えば怪しまれるから僕は何軒も薬局を周り180錠を手にいれた。
そのまま飲むのは大変なので、錠剤をすり鉢にいれごりごりと粉末にした、吸収は良くなるし、ヨーグルトに混ぜて飲みやすくするために。
死のスィーツを食べ終えた時は訪れるであろう死を期待して胸がドキドキしていた。
すぐに眠りに落ちて夢を見た。
誰だか判らないけれど僕の側に立って、えらい剣幕で怒っている人がいる
僕はひたすら手をついて謝っている
「すいません、すいません、ごめんなさい」
その姿が消えてしばらくすると僕の目は覚めてしまった。
口の周りは吐き出した薬で汚れ、極度の寒さが僕を襲う、心臓は頼りなくカタカタと動いていた。
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