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「ちょっと喉乾いたな」
「俺もー」
俺達は学校から歩いて10分で着く駄菓子屋でジュースを買うことにした。
ガチ
プシュー
「いひゃーギンギンに冷えたラムネは最高ですな~」
俺は駄菓子屋の外にあるベンチに腰掛ける。
その隣に直樹と祐貴が座ってきた。
「そういえばさー転校してきたあの子も拓馬と一緒で大変だったろうなぁ」
祐貴が話を切り出す
「なんで?」
俺は不思議そうにして聞く
「俺があの子を見かけた時は必ずといって男に話かけられてた。転校初日からモテまくりだな」
「あー俺も見た!奈津美ちゃんだっけ?彼氏できたらその男は学校全員の敵になったりして」
「彼氏いるんじゃねぇの?」
「まさか、転校したばっかりだよ?」
「そっか」
「……………」
俺は直樹と祐貴の会話を大人しく黙って聞く。
いつもの反応を示さないと思ったのか、直樹が俺に言ってくる。
「どうした拓馬。お前だったらメッチャ食いついて『あの子狙うぜ』って言うのかなって俺は思ってたのに。あんなに可愛いのにね」
直樹……お前もか。
俺が可愛いと思った子は、その子一本で狙うが彼氏持ちだったり告白する前に断念して終わってしまう。
いつも片想いで終わる悲しい男。
同情だけはNGという方向性で。
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