迷子

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「駅の場所がわかんないんだよ~さっきから同じ場所グルグル回ってる気がする」 お前……もしかして方向音痴か?? 「そ、そうだ!拓馬と一緒に帰りなよ。確か乗ってきた駅も一緒だったんだよねー?」 祐貴が意味不明な提案をする。気でも狂ったかコイツ。何一人で口走ってるんだ! 「それ名案!」 直樹、またしてもお前…。 「え?」 なんちゃら女は目を丸くする。 「ちょ、俺んちで飲みー」 モゴモゴ… 突然祐貴が俺の口を塞ぎ、喋らせてくれない。 「飲み会はまた今度。お前チャンスだろ!案内してやれ」 ヒソヒソ耳打ちをしてくる。 「ウグ…プハァ、マ、マジでおっしゃってる?祐貴君」 祐貴に塞がれている手をどかして俺は言った。 そしてパニクル。 「てゆうわけで!行ってらっしゃあ~い」 タッタッタッタ 直樹と祐貴は嵐のように走り去っていった。 「待てよ!」 そんな俺の呼び止める声も虚しく、完全に奴等の姿は見えなくなってしまった。 マジかよ…… 俺となんちゃら女はその場に取り残された。 名前……なんだっけ?
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