迷子

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「ホラ!買ってきたぞ」 俺はにやつきながら、どうなることやら。と頭の中の隅っこで想像を膨らましていた。 パッとなんちゃらさんを見ると、目の前に男が立っていた。 「なんなんだお前!しかも彼氏もちか…ッチ」 どうやら男がナンパしているようだった。 “彼氏もち”? 俺はその言葉にひっかかった。 男はその場から立ち去ろうとした時、俺の存在に気づき、話かけてきた。 「なんだ…お前があの女の彼氏か?」 「は?」 「お前より俺の方が全然あの女の彼氏にむいてると思うけどな。ムカつくけど」 男は俺をあいつの彼氏だと勘違いしているらしい。 「ちょうど喉渇いたし、ソレよこせ」 ナンパ失敗のはらいせか、完全俺に八つ当たりし、持っていたサイダーをぶんどられてしまった。 「あ…それは」 スタスタスタ 男がその場から数十メートル離れた所で勢い良くフィーバーし、ズボンがびちょびちょに濡れたという事は言うまでもなかった。 「うわぁ!なんだこれー」 「あっちゃ~可哀相に おねしょしてるみたい(笑)」 俺はなんだか勝ち誇ったような気分になり、有頂天になった。
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