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電車が来たので乗車し、向かいあって席に座った。
「周りから見たら俺達付き合ってるみたいだな!」
周りをキョロキョロしながら言い、俺は少しだけ彼女が出来たような気分になりウキウキする。
そんな俺が少しだけ虚しくも見えるが可愛くも見えるってか?ほっといてくれ。
「かもね。でも普通カップルは向かい合わないで隣に座るもんだよ。向かい合う席に座ったとしても」
俺の財布の中の小銭がスッカラカンとなった原因のサイダーを一口飲み終え、言ってきた。
「そ、そうなのか?」
俺にとって付き合う事は未知の世界。何にも分からない。悲しい。何度も言うが……同情NGで。
そしてあることを思い出した。
「そういえばさっきナンパしてた男がどーたらこーたら言ってたけど…彼氏いるのか?」
「あ~あれね、なんかしつこかったから『彼氏いる』って言っただけ。そうすれば手っ取り早く諦めてくれるでしょ?あれはただの嘘」
窓から見える、変わりゆく外の風景を眺めながらなんちゃらは答えた。
「てゆうか引っ越したばっかで彼氏なんて出来るわけないっしょ」
「まぁそうだけど」
そうこうしてる間に駅へとたどり着いた。
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