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「昨日行きたかったけど行けなかったんだよね。行きたいなぁ」
「行ってくれば?」
「案内よろ♪」
なんかこの子、変な事を口走って俺にグッと親指を立てて見せてきます。
とりあえず……逃げるか。
「ふぁ~。なんだか僕疲れちゃったよ……眠い…サヨナラ」
サササと逃げるようにしてドアに手をかける。
しかし、それを素早く奴は俺の肩を掴み制する。
そのまま鋭利な刃物のように鋭く目を光らせ、子供に絵本を読ませるような口調でゆっくりと喋り出し、囁く。
「あの時男が奪ったサイダー…
“あれ”めっちゃ泡噴いたよねぇ?」
ドキッ!
「もしかしてあのサイダーあらかじめ振りまくってあったんじゃないの??」
ドキドキッ!!
「そして“あれ”をあたしに渡そうとした…違う?」
ドキドキドキッ!!!
コイツ…めっちゃ鋭い!!
「そ、そんなわけないだろ」
振り返り、俺はとびっきりの笑顔を見せてみた。
どうか騙されてあってほしいと願いながら...
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