隣の家

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「ねぇ聞いてる?」 「え?……あぁ。んじゃあ入ってみるか」 俺は我にかえり、靴と靴下を脱ぎ制服のズボンをまくる。 砂浜を歩く 歩いた後にはくっきりと足跡が残る 小さな波が押し寄せては返し 優雅に消える ズルッ 「あ!!」 なんと 俺は勢いよくこけてそのまま海へと身を投げてしまった。 「ブハ、つ、冷てぇ~。しょっぺぇ。やっちまったぁ。はずかしー」 大失態! 制服がずぶ濡れになり、視線をなんちゃらかんちゃらさんの方へと向け、目があう。 奴は目を丸くし、俺はガボーンとしている。なんつう雰囲気…今、かなり空気死んでます。 一瞬間があいた。 「プ……クスクス…アハハハハ! 何してんの~(笑)それウケ狙い??」 いきなり腹をかかえて笑いだした。 「う、うるせ、ウケ狙いに決まってんだろ。あったりめぇだ」 俺の体は冷たいが、顔は燃え上がるように熱くなっていた。
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