青と赤

2/2
前へ
/30ページ
次へ
目を覚ますと、船の上。気が遠くなるほどの眩しい太陽の光と青い空。見渡すかぎり青い空。 私は「いい天気だなあ。」と上体をのびーっしながら言った。 爽やかな風が私の体を優しく包み込む。ギラついた太陽の光が私の体の中に入ってくる。海の音。弾け飛ぶ海水。遠くに見える島の、森の緑や白い砂浜。 (温けぇ。幸せだなぁ。なんて幸せな気分。) 気がついたら私の顔は笑顔になっていた。 (幸せだなぁ。) 頭上を見上げれば飛び交うミサイル。真っ赤な血液。原発からは放射能が垂れ流し。 原子に還った無数の魂。 青すぎる空に真っ赤な血液がサイケデリック。 放射能汚染でぐんにゃり変形した私の下腹部がサイケデリック。 欲望。そして欲望。欲望の塊でございます。 宇宙から地球を見ていた異星人が言いました。 「見てください。あのピカピカ光っている塊が欲望の塊でございます!」 いまや地球は、一部の権力者の欲望の塊。 今夜も夜だから…。 私はネオン街へふらふらと。 ボールペンの臭いを嗅ぎすぎてクラクラしながら…。image=62380892.jpg
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加