9人が本棚に入れています
本棚に追加
目を覚ますと、船の上。気が遠くなるほどの眩しい太陽の光と青い空。見渡すかぎり青い空。
私は「いい天気だなあ。」と上体をのびーっしながら言った。
爽やかな風が私の体を優しく包み込む。ギラついた太陽の光が私の体の中に入ってくる。海の音。弾け飛ぶ海水。遠くに見える島の、森の緑や白い砂浜。
(温けぇ。幸せだなぁ。なんて幸せな気分。)
気がついたら私の顔は笑顔になっていた。
(幸せだなぁ。)
頭上を見上げれば飛び交うミサイル。真っ赤な血液。原発からは放射能が垂れ流し。
原子に還った無数の魂。
青すぎる空に真っ赤な血液がサイケデリック。
放射能汚染でぐんにゃり変形した私の下腹部がサイケデリック。
欲望。そして欲望。欲望の塊でございます。
宇宙から地球を見ていた異星人が言いました。
「見てください。あのピカピカ光っている塊が欲望の塊でございます!」
いまや地球は、一部の権力者の欲望の塊。
今夜も夜だから…。
私はネオン街へふらふらと。
ボールペンの臭いを嗅ぎすぎてクラクラしながら…。
最初のコメントを投稿しよう!