9人が本棚に入れています
本棚に追加
眠る民。
眠民。
真夜中のこと。
みんな眠り、魂が宇宙の外側に行っている頃。
私は眠らずに、畑の真ん中にある小屋の屋根にのぼり、星空を眺めていた。空気が澄んでいて遠くの星までよく見える。
満天の星空に吸い込まれそうだ。
今夜は満月で、月の光が世界を照らしていた。
照らされた世界はまるで作りもののよう。
世界が嘘のようにとても美しくて何度も屋根から飛び降りそうになった。
(早く来ないかな?)
私は待っていた。
今夜は夜だから空から異星人がやってきて、色んな話を聞かせてくれるんだ。
みんなには内緒なんだ。
みんなに言ったら異星人は人見知りだから、地球に降りて来てくれなくなっちゃうだろうから。
(今日はなんの話を聞こうかな?宇宙の果ての話が聞きたいな。)
真夜中に国道を大型のトラックが走っています。
静けさの中、サーーーーッと。
彼らはきっとラジオを聞いているから、耳をすませば聞こえてくるよ。ラジオの音が。
彼らも眠らずに宇宙から発信しているラジオを聞いているんだね。
(早く来ないかな?)
世界が青くなってきた。
最初のコメントを投稿しよう!