とある朝…

1/8
294人が本棚に入れています
本棚に追加
/109ページ

とある朝…

カーテンの隙間から朝の日差しが差し込み 薄暗い部屋に僅かな明かりが入る…それがちょうど部屋で寝ていた少年の顔に当たっていた。 『…………………』 しばらくして部屋の主は目を覚ましたらしく無言で起き上がると そのまま布団から出て、殆ど光を遮る程に黒いカーテンを左右に開き、窓を開ける、そこから見えるのは2~3キロも先にある高校の校舎、その手前に少し木々があるだけで、ずっと先まで見渡せるほどの広い畑…それ以外は 特に何も無いくらいに何も無い。 ここは北〇道の〇〇市、中央区から遠く離れた 外れにある地区で 少年が住んでいる周りには数件ほど家はあるが老人しか居ないし 近所と呼べる家は数百メートルは先と言うような場所だ 家の裏手には森があるが、市の私有地とされている しかし特に仕切りも無く少年は頻繁に森の中へ入っては虫を採ったり、何故かガラクタが山積みにされた場所があって、そこのゴミやガラクタを漁って遊んだ。 近所に友人が居ない少年は 常に一人で行動するのが当たり前…そんな育ちが災いしたのだろう、小学校へ通うようになっても、同年代の少年少女との付き合い方が分からず、友人も殆ど出来ずに一人で過ごす生活であった。
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!