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そして、春香と付き合ってちょうど三ヶ月目を迎える日。三ヶ月目記念日ということで、春香とデートの約束をしていた。俺はある決心をしていた。春香はきっと、俺が今も由美を忘れることができずにいることを知らない。夢に出てきていることを知らない。その全てを話そうと決めていた。それが終わりを告げるカードになろうとも。
春香といつもの待ち合わせ場所の喫茶店。俺は少し早めに付いたので、窓の外の道行く人の流れを眺めながら、春香と付き合ってからの三ヶ月を思い返していた。
春香に押し切られるようにして付き合い始め、初めてデートした日のこと。由美と別れてから、初めて他の女と街を歩いた。隣に由美以外の女が肩を並べて歩いているというのは不思議な感覚だったのを覚えている。それから何度も何度もデートを重ねた。いつの間にか、俺は春香に笑顔を見せるようになっていた。別れてから笑うことなんてできなかったのに。でも、結局、三ヶ月たっても愛してるという言葉を口にすることはできなかった。
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