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俺が勇者という名の役職に任命されたということは瞬く間に世に広がり、俺は一躍有名人になった。
かなりチヤホヤされたし、あれは人生最大のモテ期だったかな。
「自分は絶対特別な人間なんだ!」
小さい子供だった俺はそんな大きな傲りを胸に抱きしめ、毎日毎日修業した。
敵は強い。人間は誰もまだ適わない。
そんな先見が世界の常識になっていたから、俺には時間をかけてでも、強さを得ることが求められていたんだ。
もしもすぐに戦線に出されていたならば、俺はここに居なかっただろう。
「16歳になったら戦場の前線に出て、敵を倒し、みんなを喜ばせるんだ!」
そのために俺は仮想の敵に剣を向け、ひたすら国家による修行を受けていた。
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