事件
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見た事も無い奴に呼び止められて訝しんでいる俺を尻目に、ふわりと青年が腕の中に飛び込んで来た。 「キャーッ!!」 腹に鈍い痛みが走り、思わず押さえた俺は、何が起こったのか判らないまま誰かの悲鳴を聞いた。 身を離した青年は青ざめた顔をして、手には血塗りのナイフを握り締めている。 ―――血? 俺は腹を押さえていた右手を離して自分の手を見た。 「なん…だ?」
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