事件

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真っ赤に染まった手を見て、俺は自分の身に起こった事をようやく理解した。 「…このやろう」 逃がさまいと握った腕を、怯えた表情で振り払われて、よろめいた俺の足元に派手な赤い染みが広がってゆく。 踵を返して逃げ去る青年の後ろ姿を見詰めながら、俺は意識が遠くなるのを感じていた。 .
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