事情聴取

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「病院が身元を調べるために拝借しました。もうすぐ会社の方が見えられるでしょう」 「会社に連絡したんですか」 言い終わらないうちにノックの音がして部下の野上が入って来た。 「課長!大丈夫ですか?」 「―――…大丈夫、と言いたいが良くはないな」 今時の若者の風貌そのものの野上は、茶髪にスーツというミスマッチのいでたちだ。 刑事が一瞬引くのが判って、くぐもった笑いが零れた。 「…質問を続けても宜しいでしょうか?笹本さん」 「ああ、ちょっと待って下さい」
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