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明らかにファミリータイプのマンションに、刑事がそう思うのも仕方が無い事だろう。
もともと一緒になろうと思っていた女性は克彦の元をあっさりと去って、マンションだけが残ってしまった形だったから。
「お若い課長さんだ。恨みや怨恨の覚えはないんですか?」
「36を捕まえて若いとは言えないでしょう。恨まれる覚えはありませんよ」
苦笑交じりに答えながら、克彦は自分を刺した青年の、怯えの混じった怒りの顔を思い出していた。
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