―ズレ遺伝子研…っ管理所―

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ここはある研究所。 だが外には『管理所』と言ってある。 何故か。それはここが遺伝子に関することをしているから。この世界では遺伝子を研究することは違法。 だから、管理所。 活動内容は…まぁみてればわかる。 「先生。また反応が・・・」 一人の白衣姿の研究者が振り返り“先生”を呼ぶ。近くの大きな機械にあるランプが赤く点滅している。 「今度はどこだ」 先生と呼ばれる人が機械に近づく。 「それが・・・こことは違う世界のようです」 “先生”を呼んだ研究者が答える。 「なんだと…!」 「地球というところみたいです」 研究者は続ける。 「ちきゅう・・・」 先生は研究者が言った言葉を繰り返した。 「はい」 「それはどこにある」 「しばらくお待ちください」 研究者は再び機械に向き直った。 「うむ。・・・しかし困ったな。どうやってその異世界へ行けばいいのだ」 先生は機械の周りを行ったり来たりしながらつぶやいた。 「先生!」 研究者が機械を見ながら呼んだ。 「何かわかったか?」 先生が研究者に訊く。 「はい。どうやら地球という場所はここからそう離れていないようです」 研究者は機械を操作しながらいう。 「距離は?」 「えーと・・・16Wです」 「16ワープというと・・・」 「あの機械ならすぐに行ける距離です」 研究者が笑顔で言う。 「そうか!あれがあったかっ!」 先生は手をポンっと叩きながら言った。 「はい」 研究者が返事をするのと同時に先生が後ろを振り返り叫んだ。 「おい!誰か地球というところに行ってくれる奴はいないか?」 そこにはスーツ姿の人もいれば、白衣姿の人もいる。 「私が行きましょう」 名乗り出た人はスーツ姿に髪を後ろで一つにまとめた25歳前後ほどの若い男性だった。 「君、経験はどれくらいだ?」 「はい。だいたい150年ぐらいです」 顔とは不釣り合いな年数だった。 「ほう。名前は?」 「暁燈(あきひ)です」 「よし暁燈。君に任せた。頼んだぞ」先生は暁燈の肩をポンポンと叩き、さっきの研究者のところへ行くように指示した。
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