―ズレ遺伝子研…っ管理所―

3/5

7人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
暁燈は言われた通り、その場所へ行った。 「すいません。地球という場所で反応があった機械はここですか?」 暁燈は念のために訊く。 「はい。そうですが・・・あなたが担当者ですか?」 「そうです。暁燈です。よろしくお願いします」 暁燈は会釈をしながら笑顔で挨拶をした。 「私は歩美(ふみ)です。こちらこそよろしくお願いします。」 歩美が挨拶を返す。 「それでは本題に入りましょうか」 暁燈は話を促した。 「はい。」 歩美は再び機械に向き直った。 「地球のどこで反応があったのでしょうか?」 「ここは・・・日本ですね」 「日本か…」 暁燈は言葉を繰り返した。 「はい。日本の…ここです」 歩美は画面の一点を指さす。 「ここですか・・・」 暁燈がつぶやくように言った。 「どうかしました?」 歩美が覗き込みながら訊く。 「いえ。なんでもありません」 暁燈はそれに慌てて笑顔を見せながら言った。 「ならいいのですけど。・・・いつ行けますか?」 「説明だけなら今日中に行けますよ」 「今日中ですか!?」 暁燈の予想外の言葉に歩美の声が裏返った。 「やはり少し時間をおいたほうがいいでしょうか?」 「そうですね。いきなり言われら相手の方も困惑してしまうと思いますからね」 「ですよね」 暁燈はいたずらに笑った。 「明日、まず電話してから行かれてはどうですか?」 歩美の考えは悪くないと暁燈は思った。 「そうですね。そうしましょう。」 暁燈は笑顔で返した。 「とりあえず情報を言っておきますね。」 「はい。お願いします」 暁燈はメモ用紙とペンを素早く取り出して歩美の次の言葉を待っている。 「この子は…女の子です。日本時間で午後11時頃に運悪くヴァンパイアの遺伝子が混ざってしまったようです」 歩美は文字で埋め尽くされた紙をペラペラとめくりながら言う。 「そのヴァンパイアはどこのだ?」 「はい。ここの世界の126番地87丁目のオルイヤ宅です」 「そうか。あそこは問題がないと思っていたが…原因は?」 暁燈はメモを取りながら訊く。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加