第15話 秘密

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 つーか痛いのはトメさんだがな。 人を思いやるのも、相手次第だな……それを学べた事だけでも良しとするか。  トメは、窓際で定年まで粘ればいいさ……まあ、ギリギリ20万の働きは出来るだろう。 って俺は今なにを考えたんだ? こんなに厳しい意見を考える何て……。 管理職に付いている。嫌な大人の階段を登っているんだな。 組織に属する以上仕方ないけど、そうはなりたくない。 レーサーになる夢が無ければこの実力主義の企業戦争で、俺は醜い心になるだろう。 夢を諦めた時が俺が落ちる時だな。 そんな事を考えていても、今日の仕事が終わってしまう。 トメさんの仕事の進行状況を調べておくか……。 『トメさん。今週までに今の仕事は片付きそうですか?』 返事がない。生きる屍の様だ。 ってゲームかよトメ!止めろ! 動け! と思った瞬間にトメが俺を睨んだ。 怖くないが、まあキモイな。 俺はアンタの上司にあたるのだが。 これが、噂に聞く厨房か……。 47にもなって中学生の思考を持つ大人の総称だ。 息子だけが房では無かった厨房家族なのかも知れない。 コイツも、神経症か。もしくは、自己チュー。 今年は3人リストラしなければならない。 トメが筆頭リストラ候補だ。 もうかばうのは止めた。 己の力でどうにかするがいい……。
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