第1章

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はしゃぎ終えると、海人と涼介は再び席に座った。 「それにしてもよく手に入れたよな。なぁ、涼介」 「どうせ親父のコネだろ」 健志郎の父、松井健造は、VirtualАceを作った大手一流企業の社長だ。 健志郎は、その御曹子に当たる。 「ウチの会社で作ったんだから、このくらいいいだろ」 健志郎は乱れた髪を整えている。 「まぁ、そのおかげで俺たちもプレイできるわけだし」 海人はかなりテンションが上がってきていた。 2、3分前まで、早朝の気怠さとテスト期間の憂鬱で 沈んでいたのが嘘のようだ。 涼介も同じに違いなかった。
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