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海人はため息をついて、再び壁に寄り掛かった。
「……無理じゃね? さすがに」
美咲が学校で男子と話しているのすら見たことがないのに、プライベートで遊びに誘うなんて、無謀過ぎる。
「ゲームとか興味なさそうだよな」
涼介も言った。
やはり涼介も同意見のようだ。
「誘ってみないとわかんないだろ。それに美咲ちゃんと仲良くなりたいと思わないのか?」
健志郎はそう言って、海人にチケットを2枚渡した。
それはおそらく校内の男子は全員思っている。
もちろん、海人もだ。
年度始めのクラス替え発表のときは、同じクラスにいないかを真っ先に探した。
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